ハーフマラソンのベスト更新に意味はない!?|フルマラソンのタイム更新を目指す自分が気づいたこと

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読了時間:約6分/対象:フルマラソンのタイム更新を目指している中級ランナー


自分はMペースとTペースの差が比較的大きいタイプだと思っています。現時点の走力でいうと、Mペース(マラソンペース)が4:54/km前後、Tペース(閾値ペース)が4:20/km前後です。その間の4:21〜4:53/kmという約30秒幅のペース帯は、Mペース走でもなければ閾値走でもない。

ということもあって、このペース帯の練習も取り入れた方がいいのかずっと気になっていたのですが、そこでダニエルズ理論での考え方を思い出しました。

MペースとTペースの間に何があるか

ジャック・ダニエルズは、ランニングコーチとして「世界最高」とも評される人物で、『ダニエルズのランニング・フォーミュラ』という著書でも知られています。

以前、所有していた第3版に書いてあったような気がするのですが、今は手元にないので改めて調べてみたところ、ウェブ記事が見つかりました(タイポが多いのでおそらくOCRで読み込んだものと思われます)。

そこには「No man’s land of training」という表現が出てきます。

ダニエルズはトレーニング強度をE(イージー)、M(マラソンペース)、T(閾値)、I(インターバル)、R(レペティション)の5つに分けています。そしてM以外のゾーンとゾーンの間のペース帯を「No man’s land」と呼び、こう書いています。

ゾーンとゾーンの間の強度は、どちらの目的にとっても中途半端すぎる。その両側にある2つのシステムをどちらも鍛えていると思われがちだが、どちらも鍛えていないことになる。これは”Quality-junk training”とでも呼ぶべきもので、少なくとも、何を達成しようとしているのかが明確でない練習だ※

※筆者による意訳

ダニエルズのトレーニング強度ゾーン(Mペース追加) ダニエルズのE/T/I/Rの4ゾーンと、ゾーン間のNo man’s landを示した三角形の図。Mペースを著者加筆。 All out Too fast Reps (レペティション) VO₂max intervals (インターバル走) Threshold — tempo/cruise (閾値走・テンポ走) M(マラソンペース)★ Long — Steady — Easy — Recovery (ロング・イージー・回復走) 70〜75% 楽なペース Race pace > VO₂max About 5K race pace (98〜100%) Comfortably hard (86〜88%) Comfortable (70〜75%) R Fast I Hard T Comfortably hard E Easy ★ M(マラソンペース):ダニエルズが例外的に許容するゾーン。著者加筆。 Jack Daniels, “Running Training: Goals of Training”, CoachesEducation.com (2000) を元に著者加筆

上の図でいう斜線部分がNo man’s landですね。
No man’s land は不毛地帯、Quality-junk trainingとは、質の高い割には価値のない練習、骨折り損の練習といったところでしょうか。

あくまでも、ダニエルズの理論的に基けばということになりますが、なるほど、考え方としての筋は通っています。

ダニエルズの定義では、Tペースは「ピーキングすれば60分間維持できる」ペースとされています。Mペースは、その名の通りマラソン(Marathon)のレースペースです。当然のことながら、ほぼすべての一般ランナーは、ハーフマラソンのレースペースがこれら2つのゾーンの間、”No man’s land”に収まります。

ハーフのベスト更新はフルに向けた仕上げとなるか?

思い返すと、かつてはフルマラソンの仕上げとして、レース3〜4週間前にハーフマラソンのレースに出場し、ベストを更新していたことが何度かありました。

その時は「ベスト更新できた!いい感じで仕上がっているぜ!」と、意気揚々とフルに臨んでいたのですが、その分フルのタイムが伸びたかというと、あまり連動してはいなかった気がします。

ハーフマラソンを本気で走ることはフルに向けた仕上げのつもりでしたが、No man’s landの強度で走ることになり、フルに直結しない疲労だけを無駄に積んでいたのかもしれません。

もう一つ、No man’s landの話で心当たりがあるのが、M走の練習中に気持ちよくなってペースが自然と上がり、結果的にNo man’s landの強度で走ってしまっていたことです。

その時は「いい練習ができた」と満足していましたが、Quality-junk trainingだったかもしれない、というわけです。

やっぱりマラソントレーニングの心得にも書いた通り、練習の目的を見失わないようにしないといけませんね。

「この練習の目的は何か?」と問われたら、それに対して常に答を出せなければならない。何よりも重要な、この問いに答えられないのなら、その時間は練習しないほうがいい。

ではフル目標の自分にとって、ハーフをどう使うか

フルマラソンの記録更新を目指していて、ハーフをその仕上げに使うつもりなら、ハーフレースの使い方は変わってくると思います。自分なりの結論として、今後はこう考えるようにしました。

ハーフに出るなら、Mペースの確認として走る。ベスト更新を狙って閾値付近まで上げるのではなく、フルマラソンのレースペースで21.0975kmを走り通す練習として位置づける。

ベストタイムが出なくても、それでいい。ハーフのタイムより、Mペースで21.0975kmを安定して、余裕を持って走れたかどうかの方が、フルに向けた仕上げとして価値があると思っています。

「ハーフのレースでベストを狙うな」と言うつもりはありません。要はそのレースの目的を何とするかということですね。


参考:
Jack Daniels, “Running Training: Goals of Training (Part 3)”, CoachesEducation.com (2000)
https://www.coacheseducation.com/endur/jack-daniels-aug-00.php

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