閾値走(Tペース走/テンポ走)を12回続けたら、どこに効果が出たか|2026年版

トレーニング

読了約7分/閾値走/Tペース走をやっているのに効果を感じられない・続けるべきか迷っている中級ランナー


閾値走(Tペース走)を再開して、12回が経ちました。

閾値走(LT走/テンポ走/Tペース走)を2ヶ月間続けるとどうなるか?|心拍数の目安と実績値で解説」と言う記事にもあるように、2017年に実施していて効果を感じていた練習です。

久しぶりに真面目にポイント練習を取り入れ始めた2026年も、2月から5月にかけて週1回のペースで続けてきたのですが、ぼちぼち効果が見られてきたので、ここらで全12回のデータを検証してみたいと思います。(以降、閾値走のペースをTペースと呼びます)

体感に変化が出たのは7〜8回目、データに出始めたのは10〜12回目です。


閾値走を再開したきっかけ

きっかけは、2026年1月のTHE CHALLENGE RACE(フルマラソン・3:39:51)でした。

サブ3.5(@4:58/km)を目標としていたレースです。

このレースでは、前半こそ4:56〜4:58/kmで普通に走れていたのですが、22.5kmを過ぎたあたりからHRが150bpmを超えるようになってしまいました。向かい風の影響はあったにせよ、このペースで心拍140台を維持できていないということは、Mペースに対して余裕がないということです。

振り返ってみると、原因はシンプルでした。

期間Tペース練習Mペース練習ロング走(20km以上)
2023-2024シーズン0回複数回11回(30km以上4回)
2024-2025シーズン0回複数回13回(30km以上9回)
2025-2026シーズン(〜2/10)0回ロング走の一部のみ15回(30km以上9回)

ここ数年の練習データを見れば一目瞭然。ロング走は重点的にやっていたのですが、データが取れる範囲で3年、コロナ禍の期間を考慮すると5年以上、マラソンのレースペースより速いペースでの練習を一切やっていなかったんですね。

そりゃそうだ。

ロングさえやっていればサブ3.5ぐらいできるだろうと高を括っていましたが、マラソンはそんなに甘くない。全盛期の貯金はどうやら使い果たしてしまっていたようです。

というわけで久しぶりに閾値走を再開したのでした。


フェーズ1(第1〜4回):感覚をつかむまで

Tペースで走ること自体が久しぶりだったので、いきなり20分通しの閾値走ではなく、クルーズインターバル(T走を短い距離・本数に分割し、短い休息を挟む形式)から始めました。ダニエルズは、分割することでトレーニングのストレスレベルが下がると述べています。

日付メニューペース心拍数接地時間上下動比ピッチ気温
12/112km×3(R=2分)4:24〜4:26154〜161223〜224ms7.1%185〜1866℃
22/1820分×2(R=3分)4:35159〜163227〜228ms7.2〜7.3%185〜1865℃
32/2610分×3(R=2分)4:35〜4:36149〜160225〜227ms7.2%186〜1886℃
43/415分×2(R=3分)4:32154〜159227ms7.2%1857℃

設定ペースは4:24〜4:35/km。後のフェーズ2(4:17〜4:20/km)より10〜18秒遅いペース帯です。

心拍数が本数を重ねるごとに上がっていくパターン(例:1回目は154→159→161)が確認できますが、板橋Cityマラソン(3/15)の1ヶ月前だったということ、感覚を掴むまで慎重になっていたということもあって、閾値走と言うには負荷が軽すぎたかもしれません。

板橋Cityマラソン2026の結果は3:34:02。目標は未達でしたが、4:58/kmに対する余裕は実感できたレースとなりました。

閾値走の直接的な効果は定かではありませんが、少なくとも「Tペースで走る感覚を取り戻す」という準備の役割は果たせたと思っています。


フェーズ2(第5〜12回):体感が変わり始めた

板橋City10日後から、設定を引き上げて20分通しの本形式に移行しました。

ペースは4:17〜4:20/km。「練習では20〜30分間維持できるペース」という定義から想定で設定したペースでしたが、いざ実施してみるとドンピシャの設定だったようです。

日付ペース心拍数接地時間上下動比ピッチ気温
53/254:17160216ms6.8%19012℃
64/14:19164219ms6.9%18617℃
74/84:20154219ms6.9%18910℃
84/154:19160217ms6.8%19015℃
94/224:19159219ms6.9%18715℃
104/294:18※158212ms6.7%19218℃
115/64:19163214ms6.7%19417℃
125/134:18160215ms6.8%19118〜19℃

※10回目はGPS不正確のため実距離4.65kmで補正。コースも他回と異なる(西区・フラット)。
※12回目は5/10の駅伝レース疲労残存。

各回の感想メモを抜粋するとこんな感じです。

  • 4/1(6回目):暑くなってきたから同じペースでも心拍数が上がりすぎた
  • 4/8(7回目):17℃だった先週と比べて、同じペースでも随分と負荷が違う
  • 4/15(8回目):気温と心拍数の割に、体感的には少し余裕度が出てきた
  • 4/22(9回目):体感的にも余裕が出てきて、少しずつ効果が実感できるようになってきた
  • 5/6(11回目):気温が上がってきている割には呼吸に余裕が出てきて、やはり2ヶ月程続けてると体から慣れてきたのがわかる

体感の変化は8回目あたりから出始め、9回目で「効果を実感できるようになってきた」と感じています。フェーズ2開始から数えると3〜4回目(約1ヶ月)というペースです。

データに出ているか

心拍数は気温の影響を受けやすいので、単純な比較は難しいところですが、気温条件が近い回同士で比べると、変化が見えてきます。

最もわかりやすいのが6回目(4/1・17℃)と12回目(5/13・18〜19℃)の比較です。12回目はレース疲労が残っているという不利な条件でしたが、全指標が6回目を上回っていました。

 6回目12回目
気温17℃18〜19℃
心拍数164160(-4bpm)
接地時間219ms215ms(-4ms)
上下動比6.9%6.8%(-0.1%)
条件通常レース疲労残存

コース条件を同じ回(#5・8・9・11・12)の推移でも、接地時間は218ms平均から214〜215ms帯へ、上下動比は6.8〜6.9%から6.7〜6.8%へ改善しています。

コースが異なる10回目(フラット・18℃)は参考値扱いですが、気温補正後の推定心拍数は155〜156bpm。同じ気温でのいつものコースのデータより良い値となっています。

上下動比や接地時間といったフォーム関連の指標は、ドリル・流しの継続効果もあるかと思われますが、同一条件での心拍数の改善、体感としての余裕度アップは閾値走の効果と言っても良いのではないかと思います。


2017年との比較

以前(2017年)にも「閾値走(LT走/テンポ走/Tペース走)を2ヶ月間続けるとどうなるか?」という記事にある通り、閾値走を継続して実施していました。

 2017年版2026年版
シーズンフル3:20切り達成後の上昇期復活期(フル目標サブ3.5)
実施期間11週8回(5〜8月)12回(2〜5月)
設定ペース3:56〜4:08/km4:17〜4:20/km
形式5〜6km通し(20〜24分)20分通し

走力は全盛期の約80%水準です。

2017年版の記録では、同じきつさで走るとペースが4:08→3:56へ12秒/km向上し、心拍数が3bpm低下するという変化が出ています。

当時はインターバル走(Iペース)も並行実施していたという点で、効果の現れ方に違いはあるかもしれません。


次のフェーズ

「ぼちぼち違う刺激を入れるタイミングかな」と5月6日の感想メモに書きました。

閾値走を始めた動機はMペースへの余裕を作ることでしたが、12回続けて体感としての余裕が出てきた今、次のフェーズは目的を変えてCVインターバルにシフトしていこうと考えています。

CVインターバルって何ニャ?って人は「CVインターバル(クリティカルベロシティ)とは|吐くまで追い込まない練習法」をみてみてニャ

いい感じで体が変わってきているのを実感していて、モチベーションも戻ってきているので、とりあえずこの状態をリセットさせることなく、いや、より向上させていく為にも、とりあえずこの夏も練習をきっちり続けていこうと思います。


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